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「家族は当たり前じゃないから〜花に込める家族への“ありがとう”〜」華道家・中村俊月さん×NPO法人Jin代表・ 川村博さん×BRILLIANCE+・横田早紀

もうすぐ今年も“母の日”がやってきます。 いつもは様々な方の「結婚への想い」を集めている私たちですが、今回は特別版として「家族への想い」にフォーカスします。 

ゲストは華道家として活躍されている中村俊月さん(以下、中村さん)と、福島県浪江町にてNPO法人Jin の代表としてお花の生産を手がけていらっしゃる川村博さん(以下、川村さん)。花に深く関わるお仕事をされているお二人です。

花はご存知、母の日には欠かせない存在。 人にまっすぐ想いを伝えることは単純なようで簡単ではありませんが、そんな時、お花には戸惑う背中を押してくれる、不思議な力があるような気がします。
古くより想いを伝えるツールとして親しまれるお花に携わるお二人だからこそ語れる「家族へ想いを伝えること」があるのではないかと、今回特別にお話しを伺うことになりました。 

ご縁を頂戴する機会となった2020年のブリリアンスプラス「母の日フェア」コラボレーションへ込めた想いも交えつつ、企画をおこなった弊社スタッフ横田も参加し、お花で想いを伝えること、そして家族という存在について考えます。

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とっておきの母の日のブーケが作りたかった

横田:
中村さんには弊社の創業時より、ショールームのお花をずっと手がけていただいていますよね。ブリリアンスプラスのショールームはどれもかなり雰囲気が違うんですけれど、私たちらしさを軸にそれぞれのショールームの雰囲気も加味した素敵なお花をいつも届けてくださって。ずっと、母の日に何かコラボレーションをさせていただきたいとお願いしていたんです。

中村さん:
話し合いはしていたんですけれどパキッとしたアイディアが出ず、5年も経ってしまいました…。けれど川村さんにお会いして「あ、あった!」って。川村さんのお花を使わせていただくことで、自信を持ってお届けできるものが出来るなと思って。

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川村さんとお会いするきっかけになったのは、フラワーオブザイヤーなんです。その頃、川村さんは東京の市場に出荷を始められたところだったんですけれど、あまりの品質の良さに「なんだこれは!」と驚いて。新規産地で新しい生産者さんで、あそこまでの品質というのはありえない話だったので、興味を持ちました。詳しくお話を伺うと、今まで全く花を作ったことがなかったという衝撃の事実も飛び出して(笑)

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▲フラワーオブザイヤーは、その年登場する新品種から優良なものを審査・認定する、全国規模の品評会。川村さんは2017年の「新規産地・高品質No.1」を受賞されました。現在ではその栽培手腕が注目され、様々な種苗会社の依頼のもと積極的に新品種の栽培をおこなっています。

川村さん:
僕はもともと介護や福祉の仕事に携わっていました。でも震災の影響で避難をする事態になって。その中で浪江に戻ろうと決めたわけなんですけれど、人のいないこんな中で、まずどうしたらいいんだろうと。そこで思ったのが綺麗な風景というものが、故郷には必要なんじゃないかということでした。それで誰がその風景を作っているのか考えると農家の人かな…と思い立ち、農業から始めることになったんですけれど。

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それで最初の野菜を作ったんですが、風評被害もあってなかなか売れず、畑に新しくチューリップを植えました。そうしたら次の年にチューリップと、出荷できなかった1ヘクタールの野菜が一斉に花を咲かせて。

そうしたらね、道を通る見知らぬ人が車を停めて畑に来てね。荒れ果てた状態なんだけれど「ここに来ると心が洗われるようだ」って言うわけなんですよ。その時、花っていうのは人を良い気持ちにさせる力があるんだって思って。それが花の栽培を始めるきっかけになりました。

中村さん:
ブリリアンスプラスに川村さんをご紹介したかったのは、品質が良かったからだけではないんです。
川村さんは人への想い、街への想いが強くて、それを原動力に花の栽培をされている。想いを大切にするブリリアンスプラスとの相性が良いのではないかと思ったんです。

実はブリリアンスプラスは少し変わったお客さんでして。通常忙しい店舗に飾るお花には「簡単に飾れる」「メンテナンスができるだけ少ない」ということを求められる場合が多いんですけれど。ブリリアンスプラスは「花を飾るのはお客様をお迎えするためなんだから、スタッフが手入れをしたり飾ったりする行為をしなくちゃ意味がない」とおっしゃってくださって。

全くその通りなんですけれど、お花を飾ることよりもその“想い”を大切にされているなと感じています。手がかかるお花って、普通とは逆のオーダーですけどね(笑)

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▲中村さん・川村さんとのコラボレーションで完成した、ブリリアンスプラス2020年母の日フェアのためのとっておきのブーケ。主役は川村さんが愛情を込めて育てたトルコギキョウです。どんな時も前向きに生きてこられた川村さんの笑顔、そして日本中のお母さんの笑顔をイメージして作られています。

横田:
そうですね。ブライダルに関わらせていただいている私たちだからこそ、想いを伝える・想いを込めること一つひとつにこだわりがあるんです。お客様にお届けするものなら、なおのことです。ご縁にご縁が重なってやっと納得のいくブーケが出来上がり、感謝の気持ちでいっぱいです。

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花と一緒だからこそ、伝えられる気持ちがある

中村さん:
僕は花を飾る時に、ただ飾るだけじゃない、贈り手の想いや季節感…そういう言葉にできないものを込めることを大切にしています。僕は言葉では、人の想いは全部は伝えきれないと思っています。見聞きできることが100パーセントではなくて、目に見えなかったり、言葉にできなかったり、聞こえない部分もすごく大切だと思うから。

そういうものが花には込めやすいですよね。生きているものだからかもしれないけれど。

横田:
“生きているか”は大きな違いだと私も思います。
今回コラボレーションをさせていただくことになって、お花について色々と調べてみたんですけれど。そうしたら日本ではお花はもともと贈る文化ではなくて、身に着ける文化だったのだそうです。花売りの人から買った花を髪に挿したりして。かんざしなどの装飾品の起源だったんですよね。

現在では想いを込めるツールになっているという点でも、私たちが関わっている婚約指輪や結婚指輪とすごく似たところがあると思ったんです。ただ、形に残るか残らないかが違いますよね。

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結婚指輪や婚約指輪は、二人の想いや選んだプロセスを形にして閉じ込めておける良さがあると思うんです。私の好きなアーティストの歌詞に「思い出すことは想うことだ」という一節があって。身に着けたり触れたりすることで、大切な人のことを思い出して想うことができる。記憶の鍵としての大切な役割を、ブライダルジュエリーは担っているんじゃないかと感じています。

一方で花は枯れてなくなってしまいますけれど、その刹那性がより心に鮮明に残る。花は記憶の鍵になるんじゃなくて、それにまつわる記憶自体が、きっと特別なものになるんだと思います。花が生きているから生まれる違いなのだと思います。

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川村さん:
うちは実家が農家だったから、花が生活の中に常にありました。貧乏だったから花屋さんに行って花を買うって習慣はなくて。でも花の種を庭にまいたり、帰り道に咲いている花を2、3本採ってきたりして、いつも仏様には綺麗な花が供えられているんだよね。そういうことが当たり前の中で育ってきたからその時はなんとも思わなかったんだけど、今自分が花を作るようになってみると、色々と気づくことがあります。

2,000円とか3,000円で誰かに何かを渡す時、例えばお菓子だったら「つまらないものですが」なんて形式的な挨拶をしたりするけれど、花束を出すと必ずほとんどの人が思わず「わぁ〜!」って言うんですよ。

花って色も形も姿も魅力的だなって思うけれど、でも一番は人を一瞬にして「わぁ〜!」って言わせるところかなと思います。花をもらって怒る人は見たことがないよね。怒っている人がいたら、花を渡せば機嫌が直るかもしれないね(笑)

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▲「自分の仕事は農家の方が作った花をいかにきちんと届けられるかということで、アーティストとは名乗れないと思っている」とおっしゃる中村さん。しかし贈る人・贈られる人のことを想って形作られる中村さんブーケから生まれた素敵なエピソードは数えきれません。中村さんの細やかな気遣いや想いが込められていたからこそ生まれた、特別な瞬間なのだと思います。

中村さん:
そう、花には力があるから、いつも僕は邪魔なことや無駄なことをしないようにしていて。花の良さや、贈る人の想いをそのまま伝えたいと思っています。僕の個性が入らないことで、純粋なところが伝わると感じることも多いので。

でも一番大切なのは最終的に受け取る人。贈りたい人の求める花を無視することはよくあります(笑)というのは半分冗談ですけど、その花にどんな想いを込めたいのかお話をよく聞いた上で、受け取った人はこうなんじゃないか、こういうお花を喜んでくれるんじゃないのって。どこまで受け取る方に寄り添えるか分からないですけれど、そういう風に考えるようにしています。

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▲1つのトルコギキョウから、川村さんのように3本4本と花の咲く枝を伸ばすのは非常に難しいそう。細かなところまで観察し日々愛情を注ぐ川村さんだからこそ、花が応えてくれるのではないかと感じました。

川村さん:
生産者としては皆さんに「わぁ〜!」と感じていただくためには、やっぱりお花を綺麗な状態で届けたいんです。でもお花が綺麗になるというのは、その花が決めることだと思うのよ。本当に僕らがやらなきゃいけないことは、いかにその花が綺麗に咲くか、その環境を作ってあげることなのかなと思っているんです。

でもトルコギキョウにはそれだけじゃなくて「作り上げていく」という工程も必要です。トルコギキョウは黙っておくと普通の草花になってしまうんです。この枝を切ると将来どういう風になるのか、イメージしながら作ります。花一輪一輪が綺麗に膨らむか、大きくなるか、長持ちするか。こだわりを込めて作っています。

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家族は当たり前のものじゃないから

横田:
今回こうして母の日のコラボレーションをさせていただいたわけなんですけれど、皆さんは母の日に何か特別なことはされますか。

中村さん:
僕は母の日は毎年忙しいので、自分の母親にしていることと言えば花を贈ることぐらいです。記念日に限らず普段から母には花をよく贈ります。家族への想いはなかなか伝え辛いですよね、言葉では。だから花にのせて。

川村さん:
僕も言葉で想いを伝えるっていうのは皆無だけど(笑)普段から花を届けたり、母の日には別々に暮らす家族が集まって過ごす時間を作るようにしています。

横田:
私は毎年何か形に残るプレゼントをしているんですけれど、母の日のプレゼントを渡す瞬間だけ想いを伝えられるというか。母の日があるから改めて想いを伝えたり、形にできているんだと思います。やっぱり母の日は特別な日だよな、この文化がずっと続いていけばいいなと思いますね。

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川村さん:
そういうのはありますよね。日本人はやっぱり想いを言葉にして伝えるって苦手なのかもしれないですね。だからなおのこと、さりげなく花を贈るっていうのは素敵だよね。

横田:
花を贈るのも婚約指輪を贈るのも、もともとは海外の文化ですけれど、そういう口下手な日本人に逆にぴったりなのかもしれないです。

川村さん:
家族と言えば、震災で僕も含めこの地域の家族には大きな変化があったんだよね。

ここは田舎だから、もともとお年寄りと若い人が同居していたんです。でも避難すると、仮設住宅なんかの狭いスペースで一緒に過ごさなくちゃいけなくなる。ものすごく精神的にハードで、どこも長くは続かなかった。それですぐに若い人とお年寄り、世帯がバラバラになったの。震災から9年経って落ち着いてきたけれど、もうどこの家も同居には戻らない。みんなお互いに独立しています。

僕は震災を機にこうして花の栽培を始めて、見方によっては好き勝手やっているわけよね。僕自身が好きにしているわけだから、奥さんも息子も親も、拘束するわけにはいかないと思っています。僕も自由にやっているから、あなたたちも自由にどうぞって。

いい変化か悪い変化かは分からないけれど、良い面を見れば理解しあっている感じなのかな。だから結構みんな楽しく生きてるんじゃないかなお互いに。

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横田:
実は私も3.11の際に、家族に対する意識に変化があったんです。学校の帰り道に乗っていた電車の中で震災に遭ったんですけれど、電車が止まって動かなくなっちゃって、電話も繋がらない。何時間も歩いて一人で家に帰ることになったんです。その時に家族って当たり前のものじゃないんだなって。

家族があって、家があって、帰る場所があるっていうのは、みんなの「家族でいよう」「一緒に生活しよう」という想いがあって、それを一個ずつ実現して行った結果だったんだなって。家族でいるには意思が必要で、その想いに私は生かされていたんだと実感しました。

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中村さん:
僕も、家族って一回できたからそれで終わりというものではないと思うんです。家族でもどんな単位でも、続けて行こうという意思と行動がなければ、簡単に壊れてしまうという風にも感じています。

横田:
家族は想いでできていている。だから、想いを伝え合うことが大切なんじゃないか。そんな気持ちが強くなりました。大人になってからは形に残る物ばかり贈ってきましたけれど、皆さんのお話を伺っていて、子供の頃のようにぜひ花を贈りたいなと思いました。言葉にできない想いもたくさんのせて。

川村さん:
気持ちをのせて家族や大切な人へ贈る花は、その背景が分かるともっと素敵なんじゃないかなと思うよね。この花はこういう人が、こういう想いで作ってるんだよっていうのが。そんなエピソードが加われば、ただ花だけを贈るよりも素敵じゃないですか。

お花屋さんと生産者さんがもっと知り合いになって、そんな想いを伝える楽しみが増えていければいいなと僕は思っています。

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▲広い青空の下に広がる川村さんのハウス。川村さんがたった一人でゼロから始めたお花の栽培は、町全体をあげた復興事業Namiemachi Flower Projectへと成長しました。花と人の笑顔があふれる浪江町を目指して、川村さんは後進の指導にも力を注いでいます。
中村俊月
1975年横浜市生まれ。華道相阿彌流 師範。2004年、渡仏。パリコレの装飾を手がける。日本の美学とヨーロッパのクリエイティビティが融け合った独特のスタイルは、数多くの5ッ星ホテル、セレブリティの邸宅、星付きレストランなどでその真髄を開花させている。現在は「BESPOKE FLOWER」をコンセプトに、お客様とのコミュニケーションを通し、たずさわる空間を通し、そして花を通して「世界をもっと美しく」することを目指したアトリエ「GOLDENSYUNKA」を構える。センシュアルでいて品格を失わないアレンジは、贈る人と贈られる人双方の美意識を200%昇華させていると、リピーターになるクライアントが絶えない。
https://syunka.biz/
川村博
福島県浪江町出身。2005年、生まれ育った同町にNPO法人Jinを立ち上げる。2012年4月、町の復興のため、仮設住宅等に入居する障害者や高齢者とともに、隣接する南相馬市にて「サラダ農園」の運営を開始。2013年4月、避難準備区域に再編成された浪江町でも同事業を実施。さらに2014年にはトルコギキョウを中心とした花き栽培事業もスタートさせた。各地に避難している浪江町民を含めた避難先で支え合いのしくみづくりも目指している。

【お二人の「今ならこれを贈りたい」BRILLIANCE+のブライダルジュエリー】

<中村俊月さん>
婚約指輪

繊細さと動きのあるデザインが魅力的です。

結婚指輪

素敵なデザインもさることながら、先ほどの婚約指輪と重ね着けの相性が良かったのが決め手です。

<川村博さん>
婚約指輪

ひと目で「おしゃれだな!」と思いました。

結婚指輪

いつも身に着ける結婚指輪なので、引っ掛かりのない造りのものを。それでいておしゃれなものがいいなと思い選びました。

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